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 マグロにクジラ、那智の滝に高野山…。県の特産品や観光地を〝和歌山〟の3文字にあしらった独特のTシャツを、和歌山市の画家、まつおさん(29)が制作した。デザインはすべて手描きで、細部までこだわって仕上げた自信作。「たくさんある和歌山のいいところを知ってもらうきっかけになれば」。そんな思いから、毎週末、外出する際は自ら愛用している。

 「先週の和歌浦ベイマラソンもこのTシャツで完走しました」と笑顔のまつおさん。中学時代は陸上部で活躍したが、進んだ高校に陸上部がなく、美術部に入った。その後、専門学校でグラフィックデザインを学び、卒業後も円や半円、曲線を組み合わせる独自の手法で絵を描いてきた。
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 Tシャツを制作したのは今年6月。沖縄県宮古島旅行を翌月に控え、「和歌山出身であることを旅先でアピールできないか」と考えた。みかんに柿、梅干しやしょう油、シュロたわし、円月島に熊野古道の牛馬童子。県の魅力をちりばめた。

 3週間で完成させると、友人や知人の評判は上々。9月に25着を作ったところ、大々的な宣伝はしていないものの、画像共有サイト、インスタグラムで見つけたオーストラリア人などから注文が寄せられ、ほどなく完売した。

 実はまつおさん、制作活動は続けてきたものの、発表の場を持ち始めたのは今年に入ってから。きっかけの1つが、2年前のメキシコ旅行だった。「旅の途中、広場で絵を描きました。すると、現地の人や観光客らが次々と足を止めてくれたんです」

 フリーマーケットなどに出店した際は作品を並べるだけでなく、制作風景を披露する。「『すごい』『完成まで時間がかかりそうで、ゾッとする(笑)』との反応が多いですね」とにっこり。「こんな風に話しかけてくれているその時間は絵のことだけを考えていて、見る人は抱えている悩みも忘れられると思う。そんな時間をつくれるようになりたいですね」。来春には初の個展を開く予定だ。

 Tシャツは白、黒の2色で、各2500円。12月12日(土)、13日(日)には大阪南港のATCホールでの「大阪アート&てづくりバザール」に出店する。問い合わせはフェイスブック「画家まつお」からメッセージを送るか、メール(come.mame.yume@gmail.com)。
(ニュース和歌山2015年12月5日号掲載)