「トトロ、見たことある人~?」「ハーイ」。和歌山市江南の安原小学校で6月7日、スタジオジブリで制作デスクを務めた作家の木原浩勝さんが、「となりのトトロ」をテーマに講演。制作現場で使ったアニメのデザイン画やスケッチ、ポスター案を見せながら子どもたちに映画作りについて話した。
最初に、アニメができるまでには、監督、絵や背景を描く人、撮影する人、編集する人と、大勢かかわっていることを説明。「自分が作りたいものをみんなに伝えるため、例えば1時間かけて『(登場人物の)メイちゃんはこんな女の子』としゃべっても分からないかも知れない。でも、絵を描いて話すと、分かりやすくなります」
続いて、アニメ作りの現場で登場人物の服の色をどう決めたか、宣伝ポスターはどんなイメージかのほか、トトロや人を乗せて走るネコバスの中や、村の地図を作ったことを紹介した。作品の舞台は緑がいっぱいの村。「安原小学校の辺りはトトロがいるような場所がたくさん。アニメを見た後は、山でトトロを探して」と呼びかけた。
丸山真夏加(まなか)さん(6年)は「ポスターの女の子は、顔がメイで体がサツキという話が面白かった」、阪本青空(まりん)さん(同)は「服の色が決まっていく話やネコバスの窓の数がバラバラなのにビックリしました」。
木原さんは「映画で使った絵など、本物でしか伝えられないことがあります。アニメができるまで、大勢の人が力を合わせていることを覚えてほしい」と振り返った。
写真=ジブリで経験したアニメの現場を語る木原さん
(2016年6月18日号掲載)