岩出市の名所、根来寺を核とした一帯の観光まちづくりを進める「ねごろ歴史の丘」観光推進協議会が6月19日、立ち上がった(写真)。地元観光協会や商工会らが連携し発足。同協議会事務局の松見隆広さんは「観光分野を磨くことで、土産品店や飲食店など地元産業の活性化につながる。紀の川筋にある他の市町とも連携し、一帯を巡ってもらえるよう魅力アップを図りたい」と意気込んでいる。
昨年、京奈和自動車道の岩出根来インターが完成し、今年4月には旧県議会議事堂の一乗閣と根来寺の歴史を伝える「ねごろ歴史資料館」がオープンした岩出。観光地のイメージは弱いが、観光客は年間約100万人にのぼる。2011年の紀伊半島大水害以降、約80万人にまで落ち込んだが、昨年は国体や外国人観光客の増加で103万人が訪れた。
協議会の立ち上げには、市と地元産業界の危機感がある。今年度中に京奈和道が阪和道に接続すると、観光客が市を通り過ぎる可能性が高くなることと、市の人口はこの20年で1万人増え、5万人を超えたが、ここ数年は頭打ちで昨年度は7人の増加にとどまった。この状況を受け、市や商工会の若手が「住みたい街と思ってもらえるよう、観光産業に本腰を入れよう」と声をかけ合った。
協議会は観光協会、商工会のほか、根来寺、岩出まちづくり協議会、JA紀の里など7団体が参加。一乗閣、根来寺、緑花センターを巡るイベントの開催や、市が今年度整備するレンタサイクルの管理を受託し、案内板を設け、土産品の開発や語り部の紹介も行う計画だ。観光協会理事の大前高志さんは「観光PRや地元産品の販売、飲食店の出店など、得手を持ち寄ることでより魅力あるイベントが開ける」と張り切っている。
(ニュース和歌山2016年7月2日号掲載)