女性の就職、起業を支援する取り組みが増えてきた。和歌山は子育て年代の女性就業率が全国平均より低いことから、昨年、中小企業庁が女性限定の合同企業説明会を実施し(写真)、県や和歌山市は各種相談会やセミナーを開催。今年は就業希望の女性から意見を聞く会や在宅就業支援など新規事業を加え、充実度を増している。
和歌山の女性就業率はほとんどの年代で全国平均を下回り、子育て中が多い30~34歳は最も差が大きく、平均より3・5%低い64・7%にとどまる。合同企業説明会は各地で開かれてはいるが、大半は正規雇用を前提とする新卒やUIターン者が主な対象で、子育て中の女性は参加しづらいのが実情だ。
女性対象の説明会は昨年9月、中小企業庁が初めて同市で実施。求人に正規雇用はもちろん、パート・アルバイトを多く取り入れ、キッズスペースを設けた。飲食や介護、サービスなど20社がブースを出し、160人が来場。参加者からは「子どもを見てもらえたので、ゆっくり話を聞けた」との声が寄せられた。
今年は同市が9月に同様の説明会を開く。昨年、今年の説明会を受託したキャリア・ブレスユーの東正志社長は「子育てを優先したい求職者の思いが企業に届いていない面がある。求職者ニーズを企業がくみ取れば、雇用の可能性が高まる」と期待をかける。
こういった現状を背景に、企業と求職者双方の意見を聞くため、同市は9月、女性と企業のランチ交流会を初めて行う。就業に関する疑問、要望を出し合い、雇用に役立ててもらう考えだ。
また県は、子育てしながら空いた時間に仕事をしたい人に向け、インターネットを介して在宅で仕事ができるテレワークの紹介フェアを11月に開く。就職でなく、自ら事業を始めたい女性に、先輩女性起業家が経緯や苦心した点を伝える。このほか、子育て中の女性の就業を支援するホッピングが、再就職に向けたママカレッジを開講するなど民間の支援もある。
県労働政策課は「雇用形態がネックで就業できない人は多い。求職者の思いにあう支援を行い、就業増につなげたい」と意欲を見せている。
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◎女性起業家応援カフェ…9月3日(土)午後2時半、和歌山市手平のビッグ愛1階。40人。無料。日本政策金融公庫(06・6315・0306)。
◎女性や母親の就職活動応援フェア…9月9日(金)、同市中のイオンモール。午前10時15分からメークアップとビジネスマナー講座。午後1時半~4時半に面談会。保育所情報の提供や就職相談会、適職診断も。無料。キャリア・ブレスユー(073・425・3331)。
◎女性と企業のランチ交流会…9月16日(金)午前11時、同市梶取のエジソン。500円。キャリア・ブレスユー。
◎ママカレッジ…9月29日(木)午前10時、同市梶取のエジソン。無料。来年1月まで7回。ホッピング(同425・8789)。
◎再就職支援セミナー…10月21日(金)午後1時、同市西高松のポピンズ。無料。12月まで3回。ホッピング。
◎わかやまテレワークフェア…11月28日(月)午後0時30分、同市手平のビッグ愛1階。無料。県労働政策課(同441・2790)。
(ニュース和歌山2016年8月20日号掲載)