共同作業所の商品を移動販売車で売る日向屋(和歌山市北出島)は7月、同市中之島に呉服のリメイク作品を製作、販売する「よろずや」をオープンさせた。障害者の就労の場づくりの一環で、店を構えた﨑円(さき・まどか)店長(34)は「スタッフの『やりたい』という気持ちを大切に、形にしていきたい」と描いている。
作業所の商品を販売することで、障害者の就労を支援する日向屋。昨年は岩出市の根来寺駐車場に売店を開いた。リサイクル店から「多くの着物があるので活用できないか」と相談があり、リメイクして商品化し、障害者の働く場づくりに役立てようと、中之島地区にあったスーパー跡を改装して「よろずや」を立ち上げた。
鳥や花などの刺しゅうが細かに施された着物や浴衣、帯、小物に加え、反物や端切れを豊富に取りそろえる。障害があるスタッフは接客だけでなく、手芸専門家に手縫いから作品製作のノウハウを教わり、クッションやティッシュカバーを生み出している。
身体障害がある50代の女性スタッフは「生地や帯の柄が鮮やかで多彩。お客さんが喜んでくれる商品を届けられれば」、精神障害がある40代の女性スタッフは「以前接客の仕事をしていたので、そのスキルを生かしたい。病気と向き合いながら様々なことにチャレンジします」と意気込んでいる。
午前10時~午後4時。水日祝定休。日向屋(073・488・7758)。
写真=カラフルなクッションに生まれ変わった呉服
(ニュース和歌山2016年9月3日号掲載)