和歌山市は妊娠期から産後期の母子に対する支援を充実させる。きょう1日(土)、市内4ヵ所の保健センターに子育て世代包括支援センターを設置、今後は妊娠届出書の受け付けを支援センターのみとし、助産師ら専門家が対応する。また、産後ケアとして、出産後の育児に不安を抱える母親に、産院でのショートステイを通してケアを行い、育児法を指導する。市地域保健課は「出産前の早い時期から専門家が妊婦の状況をつかみ、産後に不安を抱える人を支える」と話している。
子育て世代包括支援センターは妊娠から出産、子育て期の質問、相談に対応する総合窓口。妊娠届出書の受け付けを同センターに限り、届けに来た妊婦を助産師や保健師が面接し、情報提供や相談に当たる。
妊娠届出書はこれまで、保健センター以外に、市役所本庁や支所、サービスセンターで受け付け、母子健康手帳を交付してきた。望まない妊娠など将来の育児が不安視されるケースについては、助産師らが注意を払ってきた。ただし、届け出場所によっては専門家が対応しないため、妊娠初期からのフォローに十分でない面もあった。
今後は支援センターが全ての妊婦の状況を初期から把握し、妊婦ごとに支援台帳を作成。より早い段階から対応することで、安心して出産、育児ができる環境を整える。
一方、産後ケアは、産後2ヵ月未満で、身の回りの世話をしてくれる人がおらず、育児や体調に不安がある母親と乳児が対象。産院でショートステイしてもらい、授乳やもく浴方法について相談に応じ、精神的に不安定になった母親のケアを行う。
地域保健課は「出産直後は体調不良から産後うつになりやすい。これまでも新生児訪問時に専門家が対応してきましたが、不安を抱える母親に安心してもらうために、まずは相談を」と呼びかける。
ショートステイは1泊3食付き9000円。同課(073・488・5120)。
(ニュース和歌山2016年10月1日号掲載)