明治〜昭和に和歌山からアメリカ大陸へ渡った移民の子孫と県民の親ぼくを深める「わかやま南北アメリカ協会」が7月16日(日)に立ち上がる。現地で県産品を販売し、日系人が作った産物を仕入れるなど経済面での交流も視野に入れており、迫間脩会長は「人の交流だけでなく、文化、経済で結びつきを強め、国際社会に貢献できる人材を育成する」と意気込む。
全国で6番目に多い移民を出した和歌山。多くの人がアメリカ、カナダ、ブラジルなどへ仕事を求めて海を渡った。迫間さんは2008年に中南米交流協会を立ち上げ、現地を訪問し、日系人を招いて草の根交流を続けてきた。近年、那賀地方で北米移民の歴史についての研究が活発になり、交流の対象をアメリカ大陸全体に拡大しようと、県内在住の日系人や国際交流に関心のある人に呼びかけた。
活動は、各国の県人会と連携し、移民史に関する情報交換と研究、相互に人を派遣しての交流、現地の観光地を巡るツアーを行う。今年4月に和歌山大学とブラジルの大学が連携協定を結んだことを受け、学生の活動も後押し。5月には政府が日本の魅力を発信する拠点、ジャパン・ハウスをブラジルのサンパウロに設置し、そこで県産品の販売も考えている。
迫間さんは「ジャパン・ハウスは北米でも設置が計画され、全国有数の移民を送り出した県である和歌山がかかわれる機会は多いはず。日系人が作ったコーヒーやワインを仕入れ、つながりのパイプを太くします。和歌山にルーツのある人とのネットワークを広げ、相互理解を図っていきたい」と描いている。
16日は午後1時半から和歌山市手平のビッグ愛9階で設立総会を開く。県国際交流協会の樫畑直尚理事長が「和歌山と南北アメリカのこれから」と題し講演。中南米音楽のフォルクローレやボサノヴァの披露、ブラジルやアルゼンチン料理の試食がある。無料。山崎さん(073・425・1890)。
写真=和歌山県内在住の日系人らが活動にかかわる
(ニュース和歌山/2017年7月8日更新)