3月に閉店した和歌山市友田町の老舗割ぽう、丸万跡が7月18日(火)、アイリッシュパブとして生まれ変わる。キリンビールマーケティング和歌山支社を今春退職した伊村正明さん(57)が、「ザ・キャッスルバー」をオープンする。「控えめでけんそんしがちな和歌山の人が、誇りと自信を感じる城下町のパブに」と意気込んでいる。

 大阪出身の伊村さんは製薬会社の営業マンとして和歌山でサラリーマン人生のスタートを切った。31歳でキリンビールに転職後、広島、群馬、東京、山梨、宮城と回り、2012年に支社長として和歌山へ戻った。

 第2の人生に店を持ちたいと思う中、得意先だった丸万の店主から閉店の話を聞き、跡地での開業をひらめいた。「サラリーマンとして最初と最後を迎えた和歌山に縁を感じました」とにっこり。

 地元の人や観光客が交流でき、ビールや料理、音楽を楽しめる場所としてパブを考え、今年1月と3月にアイルランドへ。現地のアイリッシュパブを20軒以上巡った。

 店はアイルランドらしさと和歌山らしさを組み合わせ、真っ赤な外観は熊野速玉大社、店内の白壁は和歌山城壁をイメージ。店名はアイルランドの名物パブ「テンプルバー」を意識し、和歌山城を表す〝キャッスル〟を入れた。ギネスビールをはじめとする飲み物や、紀州うめどり、勝浦のマグロを使った料理を提供する。

 オープンを間近に控え、「もっと地元の人にこそ和歌山のいいところを知ってもらいたい。和大生とも積極的にコラボレートして地域を盛り上げたいですね」と張り切っている。

 午後5時〜深夜1時。同店(073・488・5903、18日以降)。

写真=カウンターに立つ伊村さん

(ニュース和歌山/2017年7月8日更新)