認知症の家族を持つ男性介護者が気軽に語り合える場をつくろうと、認知症の人と家族の会和歌山県支部は毎月1回、男性向けの認知症カフェを4月にぶらくり丁のブリスビルで始めた。世話人の岡本吉彦さん(84)は「男性はどうしても話せずにためこんでしまう傾向にある。同じ立場の人同士が支え合う前向きな会にしたい」と話している。
同会は専門家による相談会や家族交流会のほか、認知症の人や介護者がお茶を飲みながら手芸や音楽を楽しむ「やすらぎカフェ」を和歌山市と海南市で開いている。
岡本さんは、73歳で認知症の症状が出始めた妻を、自宅で8年間介護。「普段言いにくいことを具体的に相談し合える場に」と考え、毎月第2・4水曜に開くカフェのうち、2週目を男性対象にした。
12日には70、80代の男性4人が集まり、季節の童謡を聴きながら語り合った。3年前に妻を亡くした男性も参加し、「介護をしている時は、世話で集まりに来られなかったが、こういった場で人と話さないと、自分も参ってしまいます」と話し、20年以上に渡る自宅での介護生活を振り返った。
岡本さんは「先輩の体験談を聞けてためになる。介護者がストレスをためて健康を損なわないよう、気軽に参加できる形にしていきたい」と望んでいる。
次回は8月9日(水)午後1時〜3時。100円。申し込み不要。男女不問のやすらぎカフェは毎月第4水曜午後1時に開く。同会(073・432・7660)。
写真=童謡を聴き会話に花を咲かせる
(ニュース和歌山/2017年7月22日更新)