護摩壇山の天然林が危機にひんしている。地表の植物がシカに食べられ、地面が乾燥し、巨木が次々と枯れている。森を守るため、和歌山県は「護摩壇山自然再生プロジェクト」と題し、初めての植樹イベントを11月3日(金)に実施する。

 県自然環境室によると、増えるシカの影響でササを中心とした地面の植物は壊滅状態。「樹齢の高いブナなどは乾燥に弱い。急激な環境の変化に耐えられず、枯れてしまう。このままではブナ林がなくなってしまうかもしれない」と警鐘を鳴らす。

 プロジェクトでは、土がむき出しになった場所に食害防止ネットを設置。そのエリアに、周辺から採ったブナ、ヒメシャラ、イヌシデ、ミズナラの苗木を移植し、天然林の回復を目指す。

 3日の植樹イベントは午前10時、田辺市龍神村五百原(いもはら)の護摩壇山森林公園入り口前集合。苗木の採取と移植に汗を流す。無料。小学4年以上対象で定員20人。弁当など持参。希望者は氏名、性別、生年月日、住所、電話番号を県自然環境室(073・441・2779、メールe0320004@pref.wakayama.lg.jp)。10月27日締め切り。雨天中止。

写真=シカの食害で地表がむき出しに

(ニュース和歌山/2017年10月25日更新)