和歌山発祥のしょうゆについて学ぶ出前授業が10月17日、和歌山市和田の三田小学校で開かれた。〝しょうゆもの知り博士〟として、有田川町のカネイワ醤油本店専務、岩本行弘さんが4年生71人に伝統の食文化を伝えた。

 まずは白衣を着た岩本さんがホットプレートの上にしょうゆをたらし、どんな香りか質問。「せんべい!」「みたらし団子みたい」「お刺身かな」と思い出しながら答える子どもたちに、「しょうゆの香りの成分は300種類以上あります」と説明した。

 続いて、原料や製造工程を紹介。大豆と小麦のほか、麹(こうじ)菌が重要な働きを担うと話した後、麹に塩と水を合わせて熟成させたもろみと、もろみを布で絞った生のしょうゆ、スーパーで売っている既製品のしょうゆを食べ比べさせた。

 子どもたちは味や香り、色の違いを観察。手島美結さんは「絞りたてのしょうゆは、スーパーで売っているものより赤く、味が濃かった。家のものの鮮度を調べます」、西山妃夏(ひめか)さんは「材料に塩が入っているとは思わなかった。冷蔵庫での保存が良いと教わったので、さっそくやってみたい」と張り切っていた。

 岩本さんは「煮物が食卓に上る回数が減り、しょうゆ離れが起きているが、海外で和食はとても評価されている。みそやしょうゆは日本料理には欠かせない。若い世代に興味を持ってもらいたい」と強調していた。

写真=香りを解説する岩本さん(中央)

(ニュース和歌山/2017年10月28日更新)