ino メジャーデビューを目指し、東京で音楽活動に励む和歌山市出身の井野利治さん(20)が5日、同市で初の帰省ライブを行った。11月に自主制作したCD『東京ラプソディー』を引っさげてのライブで、「納得のいく曲ができ、成長の証を地元のみんなに見てもらいたかった。歌に込めた思いが一人ひとりに届いていれば」と笑顔を見せた。

 中学3年の夏、歌手の岡本真夜さんの曲『そのままの君でいて』を聞き、心にくるストレートな歌詞に衝撃を受け、シンガーソングライターを目指した。和歌山商業高校時代はバンド活動とともに、中高生が音楽やパフォーマンスを披露する「ナキワラ!県ライブ」の運営に取り組み、実行委員長も務めた。本格的にシンガーの道へ進むため、卒業後の2015年に上京。現在はアルバイトを掛け持ちしながら歌手養成学校に通い、都内でのライブに出演する。

 5日のライブでは、「辿(たど)り着いたぞ東京 夢叶えるぞ東京♪」と都会でがんばる人を応援するアップテンポな『東京ラプソディー』のほか、バラード曲『Alone〜涙の行方』などオリジナル5曲を熱唱。会場は「おかえり〜」の言葉とともに拍手に包まれた。観客の一人、和歌山市の松浦琴絵さんは「ノリの良い歌で観客を楽しませ、バラードは曲に入り込ませる。人をひきつける力が強いと感じた」と話していた。

 井野さんは来年3月まで学校に通い、メジャーデビューを目指す。「日常で感じたことを素直に発信できる歌い手になりたい。目標は和歌山の観光大使。和歌山を代表するシンガーソングライターになり、地元に恩返ししたい」と力を込める。

 CDは500円。希望者は「井野利治」HP。

(ニュース和歌山2017年1月14日号掲載)