大正琴グループ、和歌山琴美会の畑美琴峰会長ら4人が10月26日〜11月8日にブラジルを訪問し、サンパウロで開かれた「和歌山県人ブラジル移民100周年記念式典」を和の音色で彩った。滞在中は、2001年から指導する現地の弟子たちとの交流コンサートも開催したほか、和歌山から移り住んだ人が多いドラードスの日本語モデル校に大正琴を贈った。
琴美会は01年以降、現地を20回以上訪れ、音楽を通した交流を重ねている。初年度にワークショップで指導した日系人たちは琴聖会をつくって大正琴を続け、今ではイベントや老人会から演奏依頼が来るほどだ。
仁坂吉伸知事や県議会議員らも出席した10月29日の記念式典では、畑会長らが音階の異なる4種の大正琴を使い、節目の年を祝って『乾杯』を披露。続いて『祝い船』を演奏すると、思わず口ずさむ人もいた。
11月4日には琴聖会との交流コンサート。約200人を前に、琴美会が演歌や童謡をたっぷり25曲、琴聖会の20人も『夜桜お七』『ソーラン節』など4曲を奏でた。畑会長は「前回訪問した3年前に課題として与えた曲。指導者がいない中、お手本にと渡したテープを聞き、それに近づけるよう努力したのがよく分かりました」。琴聖会の山崎節子代表は「17年前の活動開始以来、畑先生は毎年のように教えに来てくれました。今回も指導してもらい、新しい光が差したように感じました」と喜ぶ。
2日にはサンパウロから1400㌔離れたドラードスにまで足を伸ばし、日本語モデル校に大正琴や楽譜などを贈った。訪問時には子どもたちに『富士山』を指導。限られた時間で弾けるようになる子もおり、畑会長は「初めての楽器で難しいのに、だれ一人投げ出さず一生懸命。来年からは日本文化にふれる授業に取り入れるそうです。また指導に行きたいと思えるぐらい教えがいのある子どもたちでした」と目を細めていた。
写真=日本語モデル校に大正琴を贈り指導した
(ニュース和歌山/2017年12月9日更新)