和大生が創作し上演
1585年の羽柴(豊臣)秀吉による太田城水攻めをテーマにした寸劇が23日、和歌山市太田の太田第2公園で開かれ、和歌山大学生11人が戦で活躍した尼法師の朝比奈摩仙名(ませんな)について子どもたちに楽しく伝えた。
同地区は、太田城史跡顕彰保存会が中心となり、水攻めに対抗した人たちの霊を慰めるため、毎年4月に法要を営んでいる。今回、この歴史を伝えようと、和大で日本史を研究する海津一朗教授に依頼し、ゼミ生が寸劇を上演した。
水攻めされた時、城から船でこぎ出し、秀吉軍を相手に1人で暴れ回ったのが摩仙名。生け捕りにされるが、秀吉が感心し、城に帰らせたと伝わる。
劇は、摩仙名を主人公とする「太田城VS羽柴秀吉」。史実では秀吉軍が勝つが、劇では、忍者の赤影やウルトラシリーズの怪獣が登場し、最後は山東地区のゆるキャラ、たけのこまんの加勢を受けた摩仙名らが秀吉軍を撃退した。子どもたちにまず興味を持ってもらうための展開で、摩仙名を演じた和大3年の太田裕美子さんは「昔、秀吉に立ち向かった人がいる。そんな場所に自分たちは住んでいるんだと知ってもらい、歴史好きになってほしい」と願う。
太田小3年の山本留璃さんと2年の京保彩生(あやな)さんは「水攻めの話は知ってました。自分で歴史をちゃんと学びたい」と目を輝かせていた。同保存会は「子どもたちにもっと地元のことを知ってもらうため、海津ゼミと連携しながら劇を発展させる」と意気込んでいる。
(ニュース和歌山より。2017年4月29日更新)