丑
日本芸術院会員 清水達三
迎 春
あけましておめでとうございます。
落ち着かない新年を迎えました。昨年から続く新型コロナウイルスの感染拡大は留まらず、どこへ行くにも何をするにも遠慮がつきまといます。失ったあたり前の日々へ一日も早く戻れるのを願ってやみません。
さて和歌山の街は今、その顔を変えようとしています。県立医科大学薬学部、新しい文化の拠点「和歌山城ホール」が中心市街地に完成します。地方創生のかけ声のもとに始まった数々のまちなかの再生事業は山場です。
次代への舞台が整ったとの言い方をしていいかもしれません。しかし、まちを魅力的にする主役はここに暮らす一人ひとりです。本紙は半世紀以上にわたり、その表情をとらえ、たゆむことなく伝えてきました。
この時期に「ディスタンス」を抱えたのは残念ですが、それでも人々はかかわりをやめることはありません。その時代、その時の喜怒哀楽を届け、分かち合いたい。そこに長年、和歌山と歩んできた本紙のみが生みうる豊かさ、温かさを創り出したい。それが本紙の願いであり、使命です。
本年も変わらずのご愛読を頂けますようよろしくお願い致します。
2021年元旦 ニュース和歌山株式会社