活動10年目 マスカーずが講習会
東日本大震災で親を亡くした子どもたちを支援するため、立体マスクを手作りし、その収益を寄付してきた和歌山市の母親グループ「マスカーず」。新型コロナウイルスでマスクの需要が高まったのを受け、作り方のワークショップを2月に始めた。佐津薫代表は「支援を始めて10年目を機に、初めての企画。かわいいマスクをつけることで皆さんの気持ちが盛り上がれば」とほほえむ。
佐津さんは2011年、福島県郡山市で被災し、実家のある和歌山へ子どもと避難した。自分たちだけ守られた場所で生活することに歯がゆさを感じ、何かできることを模索する中、震災時に粉じんで困った経験から、災害時に使えるマスクを作ろうと、裁縫が得意な母親仲間を誘い、翌年、マスカーずを立ち上げた。
呼吸しやすいようオリジナルの立体タイプを考案。フリーマーケットやカフェの雑貨スペースなどで販売し、収益はあしなが育英会を通じ震災遺児に送ってきた。
ワークショップは「作り方を教えてほしい」との相談が増えてきたことから企画。生地の間に不織布を入れた3層構造のマスクが2~3時間で完成する。参加した津守舞さんは「小4の息子用に作りました。立体部分のマチや縫う順番など、気持ちよく使えるよう工夫している。外出しにくい今、会話を楽しみながら進められ、気分転換になりました」と喜んでいた。
佐津代表は「震災から10年。私たちにできることをとマスクを作ってきた思いを知ってもらう機会になれば」と話している。
1回1300円で、随時受け付け。日時は応相談。詳細は「マスカーず」フェイスブック。メール(Luebar0123.octopus-zhangyu@ezweb.ne.jp)。
写真=参加者に工程を説明する佐津さん(右)
(ニュース和歌山/2021年3月6日更新)