周辺文化財マップ発行
和歌山市の熊野古道をもっと知ってもらおうと同市は「熊野古道を歩く〜熊野古道周辺文化財マップ」を発行した(写真)。ルートに沿って周辺の文化財を盛り込んでおり、市文化振興課は「地元でも知らない人が多い〝和歌山市の熊野古道〟の魅力を発信したい」と話している。
熊野古道は、室町時代ににぎわった熊野三山への参詣道で、大阪市から始まり、紀伊半島の西岸沿いを進む紀伊路など3経路がある。和歌山市には滝畑の中山王子から口須佐の奈久智王子まで紀の川をはさみ、9ヵ所の王子を経る約25㌔が走る。
同市では一昨年から、古道沿いの民家に提灯23個や案内版を設置し、散策しやすいように整備。マップの作成もその一環で、担当者が実際にルートを歩き、最新の道路事情を盛り込んだ。
マップは表に北側エリア(馬目王子〜吐前王子)、裏に南側エリア(川端王子〜祓戸王子)と分け、地図沿いに文化財を紹介。北側では古代寺院跡の山口廃寺跡や参勤交代の休憩所だった山口御殿跡、南側では和歌山城本丸御台所が移設された光恩寺庫裏や国重要文化財の旧中筋家住宅について掲載した。『紀伊国名所図会』の絵図を用いて江戸時代の風景も伝えている。
公共施設やコンビニ、トイレのほか、道の進み方も記しており、担当者は「一目で全体像が分かってもらえ、古道を歩く計画を立てる段階から役立つように考えました。歩く人のペースに応じ散策を楽しんでもらえれば」と願っている。
A3変形判。同課などで配布。同課(073・435・1194)。
(ニュース和歌山/2021年7月10日更新)