新型コロナウイルスの影響で経済状況が悪化する中、和歌山県社会福祉協議会県福祉人材センターハートワークは介護、保育職への就職支援に力を入れている。「景気に左右されないのが福祉職の強み。安心して就職できるようバックアップしたい」と話している。

現場経験者が相談に応じる

 

 県の有効求人倍率は7月現在、1・12倍。これに対し介護サービス職はハローワーク和歌山管内で2・73倍。同センターでの介護・保育職の有効求人倍率は3・35倍と福祉職は人材不足が続く。川口博之所長は「長い間、求職者の売り手市場が続き、福祉職は労働環境が厳しいイメージがあるためでは」とみる。

 同センターは福祉専門の無料職業紹介所。対象はホームヘルパーや介護職員、保育士、看護職、栄養士などと幅広く、事業所や求職者の相談を受け付け、求職者の登録、求人情報の閲覧が可能で、インターネットでの求人情報の発信を行う。
 中でも事業所と求職者のマッチングに力を注ぎ、相談員4人を配置。3人は介護福祉士とケアマネジャー、1人が保育士と現場経験が豊富で、きめ細かく話を聞き、職場見学や体験にも付きそう。保育支援コーディネーターの西浦由樹子さんは「求職者の不安や悩みといった個人の事情に即して対応します」と話す。

 コロナ禍の中、オンラインでの相談対応も始めた。事業者と求職者のオンライン面接の設定も行う。人を招けず、人材確保に身動きがとれない事業所や県外に住む求職者の支援となっており、双方から好評だ。

 同センター主査で社会福祉士の田村元子さんは「福祉職は未経験でも無資格でもキャリアアップできる仕事。その魅力を伝えたい」。川口所長は「給与や労働環境、休暇は改善され、やりがいを持ち働いている人は多い。興味が少しでもあれば連絡してほしい」と望んでいる。

 センターは和歌山市手平のビッグ愛7階。相談無料。同センター(073・435・5211)。

 なお、潜在保育士再就職支援研修会を10月12日㊋、13日㊌各日午前9時55分からビッグ愛9階で開く。保育現場を離れた人、資格はあるが現場経験のない人対象。子どもの発達過程や、家庭支援などについて専門家が話す。定員20人。希望者は同センター。10月5日締め切り。

(ニュース和歌山/2021年9月25日更新)