紀の川市が初コンテスト

 地元の農産品を生かした地域ブランドを生み出そうと、紀の川市は3月20日、農家と全国で活躍する異業種の人材が二人三脚で加工商品を開発するコンテストを初めて開催。黒米農家とハーブ農家の2組が最優秀賞に輝いた。

 野菜や果物の栽培が盛んな同市は2019年、六次産業化に向けたビジネススクールを開講。生産者の機運が高まる中、独創的な商品アイデアに悩む人たちを後押しするため、コンテストを企画した。公募で集まった全国の78人と農家14人から選ばれた4組が昨年11月、共創キャンプを行い、アイデアを出し合った。

 この日は参加者が約4ヵ月かけて考えた試作品を発表。最優秀賞の1組、かたやま農園の片山篤さんと東京のコピーライター、石本香緒理さんは、黒米で具を覆った変わりシューマイを提案。具材は四季を味わえるよう春はブロッコリー、夏は玉ねぎなど、地元のものを用いる。石本さんは「キーワードは“包む”。周りの農家も一緒に発信し、盛り上げるようにしました」。片山さんは「試作中のハッサクビールと一緒に食べるイベントといった、商品化後のコミュニティづくりも考えていきます」と張り切る。

 もう一方の受賞チーム、米もと農園の米田基人さんと東京のデザイナー、清水覚さんは、2種のハーブから抽出した液体調味料を披露。数滴加えるだけで簡単に飲み物や料理に風味を加えられる商品で、米田さんは「ハーブを紀の川市で特産品化する第一歩に」と意気込む。

 今後、市の助成を受けて商品化を進め、来年2月の発売を目指す。市農林商工部の西田吉雄部長は「異業種が掛け合わさることでクオリティが高く、全国で戦える商品になるはず。地域活性化につなげたい」と期待していた。

(ニュース和歌山/2022年4月9日更新)