ウクライナ侵攻 終結祈る
ひまわりの種をまく季節を迎える一方、紀の川市西大井の河北図書館で一足早く花が咲き誇っている。といっても本物ではなく、図書館利用者が平和への祈りを込めたぬり絵だ。
昨年2月、ロシアがウクライナへの軍事攻撃を開始。終わりが見えない中、半年後の8月23日にぬり絵募集を始めた。題材はウクライナ国花のひまわり。明るく、子どもたちもなじみやすいと、花や鳥、チョウ、折り鶴で下絵を作った。寄せられた作品を切り抜き、ひまわり畑に見立てた110㌢×160㌢の模造紙にはりつけていった。
司書の亀井直子さんは「色鉛筆や水彩絵の具、クレヨン、マジックと、同じ黃色でも色合いが異なり、違う花がたくさん咲きました。リアルだったり顔のようだったり、バラエティに富んでいます」と顔をほころばせる。
スタートした8月末は花が終わるころで、「次は平和の花を満開にしよう」と気持ちを込めた。当初はひまわり畑が一杯になるまでの予定で、今年2月には〝満開〟となったが、「まだ、戦争は終わっていない」と模造紙を継ぎ足した。今では120㌢×260㌢の〝畑〟が、大人から子どもまで200人ほどが持ち込んだ250を超える作品であふれるほどだ。
亀井さんは「たくさん咲かせ、祈りが届いて戦争が終わるなら、それに越したことはない。終結まで続けたい」と思いをはせている。
ぬり絵の下絵は河北図書館で配布中。同館(0736・78・2010)。
(ニュース和歌山/2023年4月22日更新)