高度成長期のバングラデシュ
高度経済成長を続けるバングラデシュで、走る電車の屋根に上がり、無賃乗車する人々を撮影した写真集『電車は止まらない』を和歌山市出身の写真家、松本時代(まつもとじだい)さんが1日、芸術新聞社から出版した。
開智高校卒業後、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)で写真を学んだ。その後、ファッション誌や広告用の撮影現場で修行を積む一方、お笑い芸人、小説家、デザイナーなどを経験。2017年以降は芸人時代に使った「松本時代」の名前で、世界を回りながら写真を撮る。
バングラデシュは18年から1年半の間、5回訪れた。その初日、「巨大なビルが建設される真ん中を、ボロボロの電車が屋根に人を乗せ爆走する光景に衝撃を受けました」。自らも屋根に上がること約400回、たくましく生きる人々にカメラを向け続けた。
初となる写真集には5万枚から選んだ60枚を収録。旅で出会った人たちとのエピソードを添えた。「『小さな世界の小さな幸せを知る』がテーマ。この本で旅を追体験してもらい、皆さんの近くにいる大切な人をより大切に思える、そんなきっかけになれば」と願う。
B5変形判、144㌻。2530円。宮脇書店ロイネット店、ツタヤウェイガーデンパーク店ほかで取り扱い。
(ニュース和歌山/2022年4月23日更新)