普段は立ち入れないものづくりの現場や職人の技を感じられる体験型イベント「和歌山ものづくり文化祭」が11月5日㊏と6日㊐、和歌山市役所東隣の和歌山城ホール展示室で開かれる。曲げわっぱへの絵付け、ハンマーでアルミをたたいて作るキーホルダー、3~4時間かけてゼロから製作するミニ桐箱など16の体験ができる。主催する和歌山オープンファクトリー推進委の菊井健一代表(34)は「本物の職人たちが本気で楽しませようと考えたワークショップばかり。体験と学びを通して子どもや若者にものづくりの魅力を伝え、未来を創(つく)りたい」と意気込む。

 職人の息づかいや活気にあふれる京都で学生時代を過ごし、クラフトの世界に生きると決めた菊井さん。理容ハサミをつくる家業を2016年に継いだ。地域のものづくり企業が生産現場を一般公開するイベント、オープンファクトリーを福井や新潟まで見に行くほど好きで、「和歌山でも」と、30代のものづくり企業経営者たちと企画した。

 紀北エリアの企業と団体20社が賛同し、それぞれの技術を分かりやすく紹介するためのワークショップを準備した。触感や手触りの違うスライム、糸をより合わせた撚糸(ねんし)のクリスマスオーナメント、ミニソーラーカーと子ども向けもある。

 木製の入場ゲートは和歌山市の大工が組み上げ、その横で両日夕方、ミニ棟上げを実演する。各ブースを囲う枠は環境に配慮し、再利用できるダンボール製とした。「普段は離れた場所にある企業がぎゅっと詰まったイベント。現場の空気や音など、五感で楽しめます。体験後は展示や販売している商品を手に取り、和歌山の技術のすごさを実感して」と声を弾ませている。

 午前10時~午後5時。申し込み、詳細は同イベントHP

(ニュース和歌山/2022年10月22日更新)