2月22日は〝ニャン・ニャン・ニャン〟の語呂合わせで「猫の日」。4年ぶりにクッキーとなって缶の中で〝再会〟した兄弟猫がいる。不思議な縁がつないだ、ほっこりするお話──。

 2019年10月、和歌山市楠見中の鎌田千香子さん宅に新たな家族が増えた。近所の保護猫かふぇ寺眠子屋で譲り受けたオス猫のココア、オレオ、ラテだ。

4兄弟の似顔絵入りクッキー。「僕はどれかな?」とはるまくん(上)

 自宅でシュガーアート教室を開く鎌田さんは、3匹をモデルにしたクッキーを21年末から1年掛けて完成させ、「トロワ・フレール」の屋号で昨年12月に発売。粉砂糖と卵白を混ぜて作ったクリームで飾るアイシングクッキーを、丁寧に1枚ずつ手作りする。

 このクッキー缶を、鎌田さんの生徒が隣人にプレゼント。気に入ったお隣さんからクリスマスに贈られたのが、同市狐島に住む猫好きの友人、Nさんだった。「とってもかわいいし、3枚のうち1枚は我が家のはるまにそっくり」。Nさんの長女がトロワ・フレールのインスタグラムを見ると、寺眠子屋で引き取った猫がモデルだと分かった。「あの時の猫たちだ…」

 実はNさん、19年6月、近所の溝に落ちた子猫4匹を助けたことがあった。すでに8匹飼っていたため、1匹だけ引き取り、3匹を寺眠子屋に託していた。

 今年1月、鎌田さん宅をNさんが訪れ、猫たちの近況を伝え合った。鎌田さんは「3匹をいただく時、ごあいさつだけしましたが、名前も住所もお聞きせずでした。それが4年経った今、猫たちがつないでくれたご縁に鳥肌が立ちました」。

左からオレオ、ラテ、ココア

 感激した鎌田さんは、はるまを加えた4匹のクッキーを特別に作った。Nさんは「バラバラだった兄弟が缶の中で一緒に…。クッキーのモデルにしてくれるステキな方のお宅で幸せに暮らしていて、本当にうれしい」と喜んでいる。

(ニュース和歌山/2023年2月18日更新)