なるべくして  日本一になる

 3年前のセンバツが新型コロナ禍で中止となったため、実質4年ぶりの出場となる智辯和歌山。切れ目なく破壊力のある打撃陣、タイプの異なる複数の投手陣で甲子園に乗り込みます。チームの持ち味について、中谷仁監督はじめ青山達史主将らに聞きました。 (文中敬称略)

 

 

打のウエイト 高いチーム

── 今年のチームは。

スイングを確認する多田羅選手

中谷 バッティングの良い選手が多く、どちらかと言えば打のウエイトが高いです。昨秋の近畿大会は主軸がうまく機能しました。勝負強さが出れば勝ちゲームになりますが、悪い時でも勝ちきれるよう、夏を見据えて戦術、戦略を完成させていきたい。

青山 スケールの大きい選手が多く、長打力が魅力のチームです。チャンスで最初のストライクをどう攻略するかを考えており、だんだんチャンスに強くなってきていると感じています。

主軸を打つ青山主将

中塚遥翔 4番として長打を期待されますので、確実性をアップするため無駄をなくすことを意識しています。前を打つ多田羅(浩大)、青山らの出塁率が高く、自分が打てるかが得点のカギと思っています。

清水風太 打撃練習で投げると、とにかく〝エグい〟。全員ミート力が高く三振しない上、難しい球も外野まで運ぶ技術があります。

── 投手陣は。

投内連携を練習する𠮷川投手(左)

中谷 右から剛球を投げ込む清水は、直球、スライダーにキレがあります。左の𠮷川(泰地)はコントロールが良く、球威もつき、落ちる球、曲がる球も器用に投げます。さらに、右変則サイドスローの石原(大聖)はスピードガン以上に力があり、打者が嫌がるくせ球が持ち味。右上手の福永(修吾)も球威が増し、チェンジアップが良く、アンダースローに転向した岡田(晴吾)も努力を重ね成果を上げています。

剛球を投げ込む清水投手

清水 三振を取れる縦のスライダーのキレには自信があります。ツーシームは右打者の内側に入っていき、ファールを打たせる球です。

𠮷川 下半身が安定し、球威、キレが増しました。フォーク、スライダーに磨きをかけています。

── 守備面は。

中谷 遊撃の杉本(颯太)を捕手、右翼の青山を二塁など、冬に何人かコンバートしました。遊撃の小畑(虎之介)が上達しており、要になってほしいと考えています。

青山 外野からセカンドに移り不安はありますが、向上心を持ち取り組んでいます。

中塚 冬はチームとして守備に力を入れました。無駄なミスをなくし、スキのないチームを目指しています。

清水、𠮷川 秋はエラーが多かったですが、かなり上がってきていますので、安心して投げられます。

── 走塁や小技は。

中谷 秋に1番を打った多田羅には「盗塁できる時は自分の判断で行け」と話しており、結果に表れています。青山、濵口(凌輔)も脚力があります。小技は杉本、小畑、多田羅らに期待しています。

──目標は。

青山 日本一になるべくしてなれるよう、常日ごろから向上心を持ち、そのための練習に取り組んでいます。全員で取りに行きます。

 

(ニュース和歌山/2023年3月11日更新)

 

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