苔をガラス容器の中で育てる苔テラリウム(円内写真)や苔玉、ミニ盆栽の工房「紀州苔むす芽」が7月、和歌山市津秦にオープンした。工房代表のNorikoさんは、「苔を通じて人が集う場所にし、地域貢献することが目標です」と目を輝かせている。

 忙しさに追われていた2年ほど前、プレゼントでもらった苔テラリウムを初めて見て、「こんな世界があるのか」と心が満たされるのを感じた。作り方を熱心に研究し、苔玉士の資格を取得。道の駅やイベントで販売し、教えるまでになった。

 活動するうち、「自分が苔に救われたように、より多くの人が癒やされてほしい」との思いが募り、工房として借りていた家を、昨年10月から9ヵ月かけ自ら改装した。1階を作品展示室に、2階はワークショップスペース、憩いの場とし、ハンドメイド作家らに貸し出している。

 9月には、高齢者施設で体験会の機会を得て、幅広い年代に喜んでもらえる手応えを感じた。今後、子どもや女性対象の体験会、ワークショップ参加者でつくる展示会も視野に入れている。

 屋号の「苔むす芽」には、「苔が生える程に永く、縁が芽吹くようにつながっていきたいとの思いを込めました」とNorikoさん。これからも苔を愛し、工房から人の輪を広げていく。詳細はインスタグラム「k.koke.musume」で検索。

(ニュース和歌山/2023年10月14日更新)