北京400㍍リレー銀 髙平慎士さん

 「オリンピック・バリュー(価値)」をテーマに、JOCオリンピック教室が10月25日、和歌山市太田の向陽中学校で開かれ、2年生約80人が実技と講義に取り組んだ。講師は北京五輪陸上400㍍リレー銀メダリストの髙平慎士さん。オリンピックが掲げる「友愛」「尊重」「卓越性」などの精神を伝えた。

講義で自身の銀メダルを披露した

 まず、体育館で4チームに分かれ、8つのボールのうち、3つを素早く自陣に集めたチームが勝つゲームを実施。戦略を練り、声を掛け合いながらボールを追った。

 また講義では、髙平さんが北京五輪で競い合ったジャマイカの選手が、金メダル獲得後にドーピングで失格になったと説明。「相手とは声をかけあう間柄。銅から銀に繰り上がりうれしかった反面、選手として敬意を持っていたので悲しくなった」と振り返った。 

 続いてグループに分かれ「自分にとってフレンドシップとは」を議題に討論。「相手を大切にする」「協力する」など、意見が出された。

審判役の髙平さん(右から3番目)

 髙平さんは「私はオリンピックバリューを後で知りましたが、早くから理解しておけば日常の人間関係にいろんな気づきが生まれる」と期待を込めた。授業を受けた垣本篤志さんは「ルールを守るのは当然。破ると自分以外の人も悲しませてしまうんだなと改めて感じました」と話していた。

(ニュース和歌山/2023年11月4日更新)