和市消防音楽隊 創設55年

 音楽を通して「火の用心」を呼びかける和歌山市消防音楽隊が今年9月、創設55年を迎える。イベントや消防行事、式典のほか、小学校への出張コンサートなど、年間約20ステージをこなしており、2月3日に記念演奏会を予定している。

 市消防音楽隊は、1959年に消防職員が結成した音楽同好会を前身に69年、正式発足。職員が防火啓発の一環として取り組んでいたが、2012年には、特定の活動にのみ参加する機能別消防団制度が導入されたのを機に、高い演奏技術を持つ防火広報団員の採用を始めた。今では、隊員45人のうち35人が防火広報団員で、市役所職員、会社員、主婦らが所属する。

 デイケア勤務の西野奈都美さん(40)は、トランペットと、旗で演舞を行うカラーガード隊「一舞旗(いぶき)」を兼任する。防火、防災の啓発だけでなく、「消火活動にあたる人の励みになればとの思いがあります」と語る。

 4年ほど前から、より興味を持ってもらおうと隊のあり方を試行錯誤。曲と講話に加え、演奏用の制服以外に活動服や救急服などの着用を増やし、防火に関する劇を披露したり、はしご車を駆け上がって放水したりと、〝消防らしさ〟を前面に出している。

 楽長の下野尻義高消防司令補は、「隊の活動を見た人からの口コミで防火・防災意識が少しずつ広がっていくはず。演奏がきっかけになるよう、全力のパフォーマンスで伝え続けていきたい」と熱を込めている。

写真=赤の音楽隊演奏服だけでなく、オレンジや青の活動服も着用する

創設55周年記念演奏会

2月3日㊏午後1時半、和歌山市中のイオンモール3階。歌謡曲、アニメソングなど約10曲を披露。無料。申し込み不要。消防総務課(073・426・0119)。

(ニュース和歌山/2024年1月27日更新)