タカショー 高岡伸夫社長

 ガーデニングやエクステリア用品の開発・販売を通し、庭のある暮らしを提案するタカショー(海南市南赤坂)の高岡伸夫社長が昨年12月、『業界トップをつかむ普遍の戦略』を幻冬舎から出版した。

 2004年に執筆した『誰も教えてくれないベンチャー社長学』(財界研究所)の続編。「地方から世界へ」を信条に、海南の個人商店をグローバル企業に発展させた高岡さんが実践したアイデアや経営哲学などを5章で紹介している。

 まず、「事業拡大」では成功の条件を掲げ、海南の豊かさや地場産業の仕組みを〝地の利〟と定義。地方はデメリットではなく、土地の特性を自社の個性として活用すればメリットになると解説。続く「マーケティング」では、新たな市場を自ら開拓することの意義と、現場主義の情報収集や迅速な行動、諦めない精神の大切さに言及した。

 注目は、業界の先陣を切ってスタートしたデジタル対応についての「製品開発」。VRやメタバースといったDXコンテンツを積極的に導入し、仮想世界と現実世界を融合したビジネスモデルを構築したことと、デジタルと環境が創出するマーケットが今後大きく拡大する可能性について展望する。

 さらに、「人材育成」では、それぞれの能力を高めることで、「やる気集団」を形成。事業拡大の基礎には「人の和」があると強調する。

 最後の「未来」で、庭を通じて自然とふれあうことで心身が健やかに保たれる〝ガーデンセラピー〟という考えを提唱し、ストレス社会における庭の効用を示した。

 「初めて経営の道を歩む人のために、自分の経験やポイントをまとめました」と高岡さん。経営者として大切にしていることとして、「地域に根ざし、役に立つ」を一番に挙げ、「同じ志の人が増えれば、もっと地方は強く、良くなる」と地方発展に期待をこめる。

 B6判、190㌻。900円。ツタヤウエイガーデンパーク店、宮脇書店和歌山店等で販売中。

写真=地方から発信を続ける高岡社長

(ニュース和歌山/2024年2月10日更新)