吉田武司さん フォトエッセイ出版
国内で公開されている16灯台を全て巡った和歌山市の吉田武司さん(61)が昨年12月、幻冬舎からフォトエッセイ『のぼれる灯台16』を出版した。「写真集でも解説書でもなく、私が見た景色に近い写真に、現地で感じたことを添えました。本で感動を共有してもらい、のぼれる灯台に興味を持ってもらえたらうれしい」と話している。
三菱電機勤務の吉田さんは、千葉に単身赴任していた2018年2月、銚子の犬吠埼灯台を訪れた。単なる観光の一環だったが「灯台の白と空の青がマッチした景色」に心を奪われた。
その美しさを見てもらいたいと19年5月、妻と再訪した時、「のぼれる灯台(16基)スタンプラリー」を知った。「どうせなら全部回ってみれば」と妻に後押しされ、制覇を目指すことにした。
20年7月、神奈川の観音埼灯台を皮切りに、一気に千葉、福島、静岡を回り、10月青森と秋田へ。東日本の8基を回り終えた後、京都へ転勤となった。西日本は21年1月、和歌山の潮岬灯台からスタート。三重、沖縄、島根、山口を経て8月、宮崎の都井岬灯台で完遂し、歴代44番目の達成者となった。
行く先々で、灯台と周辺の風景や旅の様子を撮影し、感じたことを日記のように書きとめ、SNSで発信してきた。達成から2年後、還暦を機に出版を決意、内容を再編した。吉田さんは「本をきっかけに関心を持つ人が増えるような、インフルエンサーになりたい」と考えている。
B5判、120㌻。1760円。ツタヤウェイガーデンパーク店ほかで販売中。
(ニュース和歌山/2024年2月10日更新)