北畑達哉さん 交流と情報共有の場に

 治療法が確立されていないALS(筋萎縮性側索硬化症)を患うオリヴィエ・ゴアさんの日常を追ったフランスのドキュメンタリー「不屈の夏」上映会が3月24日㊐、和歌山市西高松の和歌山県立図書館2階で開催される。呼びかけ人の北畑達哉さん(64)は、昨夏ALSを発症し闘病中。「不安を抱える本人や家族が交流し、情報共有できる場になればうれしい」とアピールしている。

 ALSは手足、のど、舌や、呼吸に必要な筋肉が徐々に動かなくなる難病で、人口10万人あたり年間2・2人がり患する。根本的な治療法はないが、進行を遅らせる治療は進歩してきている。

 北畑さんは昨年2月、ペットボトルのフタを開けられなくなった。当初、「年を取り、握力が落ちてきたのかな」と軽く考えていたが、夏には箸を持つことすら困難になった。右腕の筋肉がピクピク動くなどの症状が現れ、神経内科でALSと診断された。

 不思議と驚きはなかったが、「なぜ自分が?」との思いがわき起こる。しかし、すぐに「悩んでも仕方がない。自分は選ばれたのだ」と発想を転換。「良い意味で〝覚悟〟を武器にし、希望を見つけるために戦おう」と決意した。

 そんな中、昨年11月に映画の存在を知る。東京で上映会を開いた、当事者でALS患者支援団体代表の畠中一郎さんに連絡を取り、和歌山での上映を提案。実行委を組織し、3月の開催を決めた。

 現在は右肩から指先まで動かしづらいが、500㍍の水泳を日課にするなど、筋力の維持に努めながら仕事を続ける。「患者や家族が少しでも希望を持って生活できるよう、今後も交流の場を設けていきたい」と意気込んでいる。

写真=精一杯チラシを持ち、力強く上映会をアピールする北畑さん

映画『不屈の夏』和歌山上映会

「ALSで余命3年」と宣告されたオリヴィエさんが障害を乗り越え、残された時間を家族と共に笑顔で懸命に生きる姿を描く。3月24日㊐午後1時半、和歌山県立図書館。畠中さんらの対談も。無料。0時半から300人に整理券配布。森さん(073・422・8822)。

 (ニュース和歌山/2024年3月16日更新)