健康願い薬師如来に奉納
1968年に開業した和歌山市鳴神の花山温泉は、翌年から毎月8日、敷地の裏手にある守り神の薬師如来に利用者の健康祈願を続けている。4月は祈祷と合わせて、紙芝居『花山温泉物語』を奉納。薬師如来の紹介と、温泉の歴史を描いたもので、中村源吾社長は「毎月お勤めする温泉施設は全国的にも珍しいはず。紙芝居をHPに掲載して、ここにどんないわれがあるのかを広めたい」と思いを込めている。
この地では、平安初期の803年には温泉が湧出していたことが分かっている。その後止まってしまったが、1965年の地質調査後に地下501㍍まで掘削したところ、高濃度の炭酸泉が自噴してきた。温泉施設を建設し、68年に開業した。
紙芝居は、大阪を拠点に活動する「紙芝居屋のガンチャン」が、歴史や言い伝えを参考に3ヵ月かけて制作。この日は、仏事に続いて、弟子の前田髙成さんが演じた。時折笑いを交えたテンポの良い語り口に、参加者は「上手にまとめられているし、おもしろい」と感心しながら真剣な表情で聞きいっていた。
(ニュース和歌山/2024年4月13日更新)