「心のままで」と伝えたい
和歌山市出身の児童文学作家、嘉成晴香さん(37)が5月18日㊏午後2時、同市松江のツタヤウェイガーデンパーク店で「『涙の音、聞こえたんですが』トーク&サイン会」を開く。昨年5月の出版だが、今年3月に地元紙で取り上げられたのをきっかけに書店から声がかかった。「出身中学の隣にある身近な書店で、楽しみですがドキドキしています」と胸を高鳴らせている。
同書は、涙がにじんだり落ちたりする音が聞こえる女子中学生が主人公。その特殊能力から、なるべく人と関わらないよう生きている。ある日、アイドル的存在の生徒会長が純粋に流す涙の音が聞こえ、「弱みを握ろう」と近づくと──。
嘉成さんは、河北中、向陽高出身で、高校時代は同店に足繁く通った。これまで学校で講演したことはあるが、トークイベントは初めて。以前、読んでくれた大人の人から、「泣いてきた自分と向き合えました」とメッセージをもらったことがある。「いくつになっても悲しいことはあるのに、なかなか人前で泣けない。『感情を抑え込まず、心のままでいいんだよ』と伝えたい」との思いを込めている。
四六変形判、198㌻。1540円。ポプラ社。
写真=「幅広い年代の方に読んで頂けます」と嘉成さん
(ニュース和歌山/2024年5月11日更新)