1勝へ あきらめないプレーを

 身体障害者の野球チーム「ヤマト和歌山」(宮本泰希代表)が6月1日㊏、2日㊐、神戸での全国身体障害者野球大会に出場する。初戦は1日午前10時半、東京ブルーサンダースとG7スタジアム神戸で対戦。10年ぶりの全国を控え、宮本代表は「相手は強豪だが、1つ勝つつもりで行こう」とハッパをかけている。

 ヤマトは、前代表の楠木祥瑞さんが高校生だった1984年に結成。県内唯一の身体障害者チームとして活動し、結成当初は全国大会にも何度か出場した。しかし、他チームのレベルアップ、ヤマトの人数不足の影響で全国大会には2004年から10年間出られず、14年の出場からも再び10年が経過した。今回は昨年8~9月に開かれた近畿大会で好成績を残したことで選出された。

 20年以上チームにかかわる久保孝善監督は「今年はバッティングが良く、走力もある」と評価。近畿大会では力のある大阪のチームに勝っており、「戦力が整ってきました。宮本倫樹、中川駿、渡瀬冬麻の〝投手3本柱〟が機能すればチャンスはある」と期待を寄せる。

 キャプテンを務める倫樹投手は「ストレートに自信があります。打たせて取り、勝ちを目指して頑張ります」、レフトの森口康司選手は「足が悪いので打つときは代走が出ますが、守備は判断力を生かして打った瞬間に動き、取れるアウトは全部取る」と前向きだ。

 「メンバーがそろわず大会に出られないこともあった」と振り返る宮本代表は「一昨年久々に1つ勝ち、昨年は5勝。若い選手が増えて実力がつき、勝つ喜びを知ったことを原動力に、あきらめないプレーをしています」と目を細めている。

写真=10年ぶりの全国を楽しみに待つメンバー

(ニュース和歌山/2024年5月25日更新)