創部100年の節目飾る
今年創部100周年を迎えた和歌山大学野球部が近畿学生野球連盟春季リーグで10勝2敗と全チームから勝ち点をあげ、全日本大学野球選手権に駒を進めた。節目の年に春秋計6回目の優勝を決めた大原弘監督は「昨秋、今春で初のリーグ戦連覇。ねらって取ったので、力が付いてきたのでしょう」と目を細めている。
春季優勝は2年ぶり4回目。チーム防御率が1点を切る安定した投手力で、エース島龍成投手(履正社)が5勝、近藤陽樹投手(市立和歌山)が3勝、田中輝映投手(向陽)が2勝をあげるなど、例年同様、守りからリズムを作っている。今年は特に、1~3番を打つ伊東太希選手(星林)、笠木悠翔選手(兵庫県立大附属)、吉村拓貢選手(向陽)の出塁率が高く、ランナーをかえすバッティングができるだけでなく、ホームランなど長打があるのが今までとは異なる。
加えて、ノーサイン野球もすっかり定着。丸山椰尋主将(熊野)は「去年から試合に出ているメンバーを中心にミーティングを繰り返しています。組織として戦うことで、勝ちが見えてきます」。左の本格派、島投手は「2年の春からリーグ戦の初戦を任せてもらっています。これまで積み上げた経験を生かしたい」ときっぱり。また、伊東選手も「後ろにつなぐ意識でどういうスイングをするか。ランナーと信頼関係を築けるよう、普段から本音で話しあっています」と明かす。
「うちは強豪私学出身でもレギュラーじゃなかったり、普通の公立出身の選手が多い」という大原監督。「大学で懸命に野球をし、メンバーに恵まれ花開いた。そんな姿を後輩たちも見ています。しっかり伝統を作りに行こう」と声をかけている。
初戦は6月11日㊋午前9時、広島経済大と東京ドームで対戦する。
(ニュース和歌山/2024年6月1日更新)