利用者の2000句以上収録

 開苑30周年を迎えた海南市七山の介護老人福祉施設、天美苑。利用者が苑の俳句教室で詠んだ2132句を合同句集『天美苑』にまとめ、4月29日に出版した。指導する和歌山俳句作家協会の桑島啓司副会長は「これまでに詠まれた4774句から選んだ、思い出深い句ばかりです」と目を細めている。

 頭の体操として、2000年からスタートした同教室は、毎月第4水曜、15人ほどが句を持ち寄り発表している。

「毎回の俳句教室が楽しみです」

 10年以上教室に参加する西田清数さん(73、写真右)は「先生がほめてくれるので毎回うれしくなる。17文字の短い中に、青春時代や恋していたころを思い出しています」とにっこり。2年目の藤本れい子さん(75、同左下)は「みなさんが作った俳句を聞くのが楽しくて、参考にしています。本にしてもらえるなんて、ありがたい」と喜んでいる。

 企画した竹中昭美副理事長は「写真や絵と違い、作者がその時何を考えたのかダイレクトに分かるものが良いと思い、句集にしました。利用者の人生や、思い描いたことが詰まった1冊です」と話している。

 無料。希望者は同施設(073・486・0114)。

(ニュース和歌山/2024年6月8日更新)