車、航空機への活用見込む

 県は天ぷら油を燃料などに精製し再利用するため、回収に協力してくれるモニターを募っている。従来は紙に染み込ませたり、凝固剤を入れたりして捨てていた油に着目。燃料にリサイクルして、収集・運搬車や万博建設工事の建機で使用する。県は「植物油が燃料になることを広めるための実証実験。回収することでCO2削減に効果があることを広めたい」と考えている。

廃油はボトルごと回収ボックスへ

 モニターは、使用済み植物性食用油を専用ボトルに入れ、和歌山市、海南市、有田市のオークワや松源、紙の杜、役所などの回収拠点に持参。大阪の専門業者、植田油脂が燃料にリサイクルする。募集は上限3000人で、回収は2026年3月末まで。希望者は県成長産業推進課HPから申し込む。回収は7月からで、動物性油脂やエンジンオイルなどは不可。

 根本にあるのは、廃棄を最小限にするため、モノの長寿命化や再利用、再製造などを指すサーキュラーエコノミーの考え。回収した廃油の7割をバイオディーゼル燃料に精製し、残りも全てリサイクルする。県は、製油機能を停止した海南市下津町のエネオス跡にSAF(持続可能な航空燃料)製造拠点を誘致する計画で、「いずれは航空機燃料として役立てたい」と期待を寄せている。

 なお、回収目標量は定めていないが、大阪で取り組むスーパーでは、1店舗で月200㍑回収している例がある。

(ニュース和歌山/2024年6月15日更新)