和歌山県内初 空き家再生に不動産CF
築約70年、市堀川沿いに建つ、元うなぎ店のいづもや(和歌山市雑賀町)が5月1日、地元食材を扱う居酒屋として生まれ変わった。同市の不動産会社和みの古田高士代表は「実際に店に立ち、川沿いからまちづくりを進めていきたい」と熱を込める。
10年ほど前に閉店したいづもやは、正面の格子が和の雰囲気をかもし出す。ここを飲食、宿泊施設に改修し、地元食材を体験できる場にしようと、空き家再生に県内で初めて不動産クラウドファンディングを活用、今年2月に目標の1千80万円を達成した。1階は飲食スペースに、2階部分は7月中に宿泊施設としてオープンする。さらに、市堀川沿い遊歩道上に客席を兼ねたウッドデッキを設け、飲食スペースと行き来できるようにする予定。古田代表は「川沿いにデッキを作ろうと検討している店は他にもあると聞きます。この店をきっかけに他店舗にも波及し、きれいな川のある景色になれば」と期待する。
料理は地元食材を中心に、こうじに漬けたり金山寺みそを使ったりと、和歌山になじみの深い発酵技術を取り入れる。また、生産者の名前を出す、料理教室を開くなど、作り手にスポットが当たるようにする考えだ。
古田代表は「『この人の作った野菜だから安心』『ここのしょう油がおいしい』と、農家や漁師、醸造所などのファンになってもらいたい。食文化の情報発信拠点とし、市堀川が新しい和歌山の名物になれば」と考えている。
(ニュース和歌山/2024年6月29日更新)