鈴木大樹さん 第2の故郷に恩返し

 アウトドア用品のワイルドアウトドアを運営する和歌山市加太の鈴木大樹さんが7月13日、多くの人にもっと加太を知ってもらおうと、淡嶋神社の南、菖蒲園跡地に「加太オールフィールドキャンプ」をオープンした。「海と山に囲まれた絶好のスポット。自然を楽しめる場として、港町・加太の魅力を広めたい」と力を込めている。

「花火大会と合わせて、盆踊りも開催できたら」と夢がふくらむ鈴木さん

 大阪市出身の鈴木さんはサーフィンが好きで、海辺を求めて10年前に移住。自然の中でキャンプを始め、外で飲食したり、火を囲んで仲間と酒をくみ交わしたりするうち、カセットコンロがすっぽり収まる鉄製テーブルや、折りたたみ棚を自作するほどのめり込み、4年前にブランドを立ち上げた。

 ちょうどコロナ禍でアウトドアブームが起きており、「この流れをこれから先の世代にもつなぎたい」「お世話になった加太に恩返しを」との思いでキャンプ場を開設し、地方再生を目指そうと決めた。今年4月にクラウドファンディングで支援を呼びかけたところ、5日間で目標の30万円を突破した。

 キャンプ場は広さ約1900坪、テントを35基設置できる。トイレ、キャンプファイヤーピットのほか、リードを付けずに犬と宿泊できるドッグサイトも設けた。さらに、飲酒しても観光できるよう、温泉や海水浴場などの巡回バス、ペットボトルゴミを減らすための無料ウォーターサーバー、濡れたテントを乾かし、自宅へ送付するサービスなど独自のもてなしを盛り込んだ。

 現在は、2017年に1度だけ開かれた加太花火大会を復活させようと計画中。「実現すれば町を活気づける〝着火剤〟になる。地元と協力し、来年の盆開催を目指します」と意気込む。

(ニュース和歌山/2024年7月20日更新)