8月4日和歌山県立図書館 戦争を読む会10回の節目

 戦争と平和がテーマの「明日をつむぐ朗読会」が8月4日㊐、第10回の節目を迎える。2013年、太平洋戦争を知る人が少なくなっていく中、フリーアナウンサーの福山ひでみさんが「このままでは戦争の記憶が忘れられてしまう」と、主催する朗読教室の生徒有志と第1回を開催。今年は「ここから未来へ」を掲げ、「あす戦争が始まったら、今が戦前になる。これからもずっと戦後でいられるように」と、朗読を通して平和への願いを込める。

昨年の朗読会

 これまで戦争や原爆を市井の人の目線で綴った詩や紙芝居、短編小説などを取り上げてきた。文を繰り返し読み、心の中で熟成させ、肉声で伝えることで、戦争を追体験する場を目指している。

 今回は、学童疎開に行く幼い娘に父がはがきを持たせ「元気なら○を書いて送るように」と話した『字のないはがき』(向田邦子)、東京大空襲で両親を亡くした作者の幼き日の思い出を描く『焼けあとのおにぎり』(うるしばらともよし)、ノーモアヒロシマ・ノーモアナガサキの叫びがこだまする平和紙芝居『二度と』(松井エイコ)、焼夷弾の火の海を逃げ惑い、目の前で焼死した妹への思いを込めた詩『ヨシコ』(たかとう匡子)ほかを朗読。音楽演奏もある。

 出演する出雲佐知子さんは、「無関心であってはいけないし、『戦争はよくない』と常に心に留めることが大切。それが未来のために必要と感じます」。福山さんは、「戦争を〝読む〟ことで、平和と命の尊さを共有する時間にしたい」と意気込んでいる。

 8月4日午後2時から、和歌山市西高松の県立図書館2階。無料。福山朗読教室(073・423・6180)。

(ニュース和歌山/2024年7月27日更新)