アマチュア落語グループ「わかやま楽落会」のぴょんぴょん亭うさぎこと、桐蔭高校3年の小阪はやのさんが7月27日、28日、宮崎で開かれた「ひむかの国こども落語全国大会」に出場、悲願の最優秀賞に輝いた。小阪さんは「今まで一番になれず悔しい思いをしてきたけど、やっと自分の落語を認めてもらえました」と喜んでいる。

 姉の影響で4歳から落語を開始。同大会には小学1年で初出場し、以降4回優秀賞に選ばれたが、最優秀賞には届かなかった。

表情豊かな語りが持ち味

 高校3年になり、今年が子ども対象の大会に挑戦できる最後の年。予選には47人が出場し、8人が決勝に残った。学生落語家ユニット「高3ず」として共に活動する大阪の独楽家なおい丸さん、奈良の日日是晴天丸さんも一緒だった。「『きっと3人で最終戦に行ける』と思っていました。ライバルですが、心強かったです」とにっこり。演目は、小さいころから聞きなじみがある『動物園』を選んだ。「虎が目玉の動物園で働き始める男に園長が渡したのは、死んだ虎の毛皮。園の人気者になりすますのが仕事と分かり…」。舞台では自分が楽しむことを第一に考え、「私が感じる楽しさをお客さんに伝えようと、全身全霊で挑みました」。会場を笑いの渦に巻き込み、最優秀賞を勝ち取った。名前を呼ばれた瞬間は涙をこらえたが、「インタビュー中、我慢できずに泣いちゃいました」と照れ笑い。

 「大会を通じて全国に仲間ができた」と話す小阪さん。現在は大学進学に向け受験勉強の真っ最中で「落語はこれからも趣味で続けるつもり。皆と寄席を開きたいです」と笑顔を浮かべている。

(ニュース和歌山/2024年8月24日更新)