和歌山市廣久さん 孫と一緒に絵画展
20〜30代のころ、画家として活動していた和歌山市の廣久(こうきゅう)さん(72)が10月23日㊌〜28日㊊、和歌山県民文化会館特設展示室で孫二人とコラボ展を開催する。人物をデフォルメした自身のアクリル画と孫が描いた絵、計約50点を出品。「子どもの絵が持つおもしろさ、爽快さ、自由さを見習い、楽しさを意識しました」と自信を見せる。
かつては東京、大阪などで個展を開いていた廣久さん。影響を受けたのはピカソで、主に抽象画を描いていた。しかし、35歳の結婚を機に創作を控えるようになった。以降、描くペースは年に2、3枚に。また、次第に「絵はこうでなきゃいけない」という固定観念に縛られるようになり、「不完全燃焼の日々が続きました」と振り返る。
時が経ち70歳になったころ、自宅に遊びに来た孫の歩生(あゆむ)くん(6)と青生(あおい)くん(5)が無心で画用紙に向かう姿と、出来上がりを見て衝撃を受けた。「線や色づかいに迷いがなく、思いのままにクレヨンやマーカーを走らせていた。孫たちから『もっと自由に描けばいいんだよ』と言われた気がして、背中を押してもらった」と話す。
その後はちゅうちょせず、童心に返ったつもりで1日1枚描き上げるようになった。さらに、38年ぶりに個展をと考え、「せっかくなら2人とのコラボ展にしよう」と思い立った。歩生くんは「おじいちゃんと一緒に絵を飾ってもらえるのはうれしいです」と喜ぶ。廣久さんは「孫のおかげで、これからの人生を絵に捧げようと気持ちを改めることができました。同世代の方々には、ぜひお孫さんと一緒に見に来てもらいたい」と願っている。
午前10時〜午後5時(最終日2時)。
写真=廣久さんの作品
(ニュース和歌山/2024年10月19日更新)