愛好者増へ触れあいの場

 プロで活躍した和歌山出身のレジェンド野球人が集う「プロ野球OBフェスティバルin紀三井寺公園」が12月21日㊏、和歌山市毛見の紀三井寺球場で開かれる。元プロと県内高校出身者の試合を始め、子どもや指導者対象のイベントが盛りだくさん。市和商(現・市高)から広島カープに進んだ井上紘一実行委員長は「子どもや保護者に野球の楽しさを伝え、また、元プロ選手が地元で活躍できる場をつくりたい」と思いを込めている。

子どもたちに野球の楽しさと、上達の極意を伝える井上紘一実行委員長(中央)

 10人以上の元プロ選手が集まり、和歌山で試合をするのは初めて。これまでは出身小中学校のチームなどで、子どもたちとキャッチボールやバッティングを楽しむことがあった程度で、大々的なイベントはなかった。近ごろの野球離れに学童野球関係者も心を痛め、井上さんらと触れあいの場を企画した。

 フェスには、市和商から阪神タイガース一筋で首位打者にも輝いた藤田平さんや、南部、東海大を経て阪神に進んだ上田次朗さん、市和商、新日鉄広畑から広島入りし、2年連続首位打者の正田耕三さん、南部、阪神の濱中治さんら県出身のレジェンド選手13人が参加。対するマスターズ甲子園和歌山選抜チームは市和商、箕島、向陽、桐蔭など12校の約20人で構成する。

 井上さんは、「子どもたちと保護者に楽しさを知ってもらうのが一番」と掲げながら、「県出身プロ選手が現役も含めて大勢いるにもかかわらず、地元に活躍できる場がなかった。プロまで行った人が経験を伝えることで和歌山に恩返しできる機会にしたい」と願う。

 西宮から駆けつける藤田さんは「『野球王国』と言われた和歌山の伝統を引き継ぐことにつながる。活動を進め、野球を始める子を増やしたい」。正田さんは「子どもには『思い切り振り、ボールを遠くへ飛ばせ』と声をかけます。いずれは、例えばDeNAの筒香嘉智選手ら現役が技術を見せてほしい」と思いを寄せる。

 当日午前10時からTバッティングやスピードガンで好成績を残せばプロと対戦できるチャレンジ会と、大谷翔平選手寄贈グローブでのキャッチボール会。午後1時にプロOB対マスターズ選抜の試合。3時から野球教室と指導者向けクリニック。さらに、OBが当日着用したユニフォームなどの抽選会を予定する。

 イベント申し込みは11月30日㊏午後5時まで、フェスHPから。観戦は当日でも可。大人1000円、当日1200円。小中学生500円、当日600円。なお、20日㊎午後7時から、アバローム紀の国でファンミーティングがある。1万円。問い合わせは実行委(073・494・3746)。

(ニュース和歌山/2024年11月30日更新)