智辯学園和歌山へ恩返し

 中学校教員で、紀の川市貴志川町の自宅を美術館とし、絵画コレクションを展示する木原達夫さん(写真右)。11月30日、智辯学園和歌山に、フランス、オーヴェルニュー国際展でグランプリを受賞した故・松本富太郎の油彩画「モンサンミシェル」を贈った。

 木原さんが和歌山市梅原の貴志中学校で野球部監督を務めていた時、後に同学園高校野球部で活躍する、松本晋昴さんと後藤仁さんが在籍していた。二人が高校に進学し、2000年夏の甲子園で活躍、優勝する姿を見て、「彼らを鍛えてくださった髙嶋仁名誉監督に、大きな感謝と、何か恩返しはできないか考えるようになりました」

 その後、絵画に興味を持つようになり、和歌山ゆかりの画家や県内の風景画などを収集。21年には、自宅で30点あまりが並ぶ「悠々美術館」を開館した。

 知人を介して同学園とつながりができ、念願だった恩返しがしたいと申し出、今回の寄贈に至った。木原さんは「芸術は心の特効薬。もしも気持ちが沈んでいる生徒がいたら、ダイナミックで迫力満点なこの絵を見て『今日もがんばろう』と思ってもらいたい」と願っている。

 同学園の藤田清司理事長(同左)は「4年後の開校50周年に向け、校舎のリフォームを予定しています。力強いタッチの絵から毎朝元気がもらえるように、子どもたちの目にふれる場所に飾ります」と喜んでいた。

(ニュース和歌山/2024年12月7日更新)