養成講習で新たな技術習得

 健康寿命の延伸や社会参加に意欲的な高年齢者の増加を背景に、シルバー人材センターが注目を集めている。     
 同センターは、60歳以上が入会できる全国組織の公益法人等。長年培った技術や知識を生かした仕事を通じ、生きがいづくり、地域活性化を目指している。

先輩会員(左)に教わりながら実習する参加者

 和歌山県では25カ所あり、会員数は5364人(2023年実績)。9年連続増加しており、全国トップの伸び率を誇る。仕事は、駐車場管理や公園清掃、調理補助、介護補助、家事援助など、事業所や家庭から依頼されたもので、軽作業が中心。技能習得を目的とした実技講習もある。

 昨秋開講の植木せん定養成講習では、12月18日に和歌山市和歌浦南の不老橋付近で実習を行い、14人が参加した。先輩会員が指導を担っていることから質問しやすく、和やかな雰囲気。参加者は習ったことを思い出しながら、松にハサミを入れていた。

 和歌山市の小田博昭さん(63)は、近所の草刈りに来た会員の元気な姿を見て、「自分より年上なのにはつらつとしている」と感銘を受けたのが、センターとの出合い。講習で気軽に付き合い、励ましあえる仲間ができたことも喜びだ。海南市の岡室正彦さん(65)は定年退職後、再雇用を経て、「いろんな経験をしてみたい」と申し込んだ。せん定は初めてで、「技術も感性も必要なので難しい」と苦笑しながら、「これからも健康で、地域の役に立ちたい」と意欲を見せる。

 県連合会の伊澤頼宣さんは「リタイアすると自分の世界にこもりがち。『ありがとう』と喜んでもらえるセンターの仕事を通じ、多くの人に、生きがいと仲間づくりに取り組んでもらいたい」と望んでいる。入会問い合わせは県連合会(073・435・5515)。

(ニュース和歌山/2025年1月11日更新)