福祉用具のレンタルなどを手掛ける和歌山市井戸のマルトミレンタは、大阪府八尾市の介護タクシー・アドと携帯折り畳みストレッチャーを共同開発した。コンパクトに収納でき、1分半ほどで組み立てられるのが特徴。冨田博文社長は「東日本大震災の際、がれきの中から助け出したのに運ぶ道具がなく、亡くなられた人がいたと耳にしました。南海トラフ地震が懸念される中、多くの場所にこのストレッチャーが設置され、助かる命を増やすことができれば」と願いを込める。
建設機械のほか、病院や介護施設向けの除菌タオル機、福祉車両のレンタルを行う同社。ストレッチャーは、折り畳んだ際のサイズが縦98㌢、横58㌢、奥行き30㌢と従来のストレッチャーより小さくなり、冨田社長は「軽貨物用乗用車でも15台ほど積めます」。フレームはアルミで、総重量約20㌔。高さを35㌢、59㌢、78㌢と3段階に変更できる。消防士や福祉施設スタッフの声を取り入れ、点滴や酸素ボンベを取り付けるための機具をオプションとした。
患者を寝かせる部分だけを取り外し、担架としても使える。片側に車輪が付いているため、1人しかいない状況でも患者の搬送が可能だ。冨田社長は「病院や介護施設だけでなく、学校や駅など人が集まる場所で災害への備えとして広めたい」と話している。
27万円。詳細は同社(073・479・1321)。
(2016年11月9日号掲載)